豆は語る

「私たち自身が経験したコーヒーの魅力を、多くの方にお伝えする」

コーヒーストーリーのミッションです。

私がコーヒー豆屋を始めたのも、一つの物語(Coffee Story)があります。
私にとってのコーヒーの魅力は、
“コーヒーの豊かな香りで、癒やしの時間を楽しむ”
ところにあり、店では、このような思いを伝えたいと考えながら、お客様とお話しします。

妻やスタッフにもそれぞれの経験(Coffee Story)があります。
それぞれが、そのCoffee Storyに基づく、コーヒーの魅力を語っています。

ここでは、私のCoffee Storyをお話しすることにします。

 

私がコーヒー豆屋を始めたいきさつ

私は、2008年秋に、コーヒーストーリー・ニシナ屋を開業する以前、
広島県立高校の教員をしていました。

私は、2008年の秋。20年間勤めた広島県立高校の教職を退職し、コーヒー豆屋を始めました。
そこに至るには、様々な話があります。

広島県立高校には、20年間勤めました。
最後の4年間は、もがき苦しみました。

2004年秋、枯れ木が折れるように、心の柱がポキッと折れました。
しばらく学校を休むこととなったのです。
「疲れているだけだから、1ヶ月も休めば復帰できるだろう」
そんな甘い見立ても崩れ、ズルズルと休みが続きました。
しかし、その後は、復帰・休職を繰り返すようになったのです。
2ヶ月近くの入院もしました。
経験された方はわかると思います。
心のエネルギーが枯渇状態となり、蓄積してくれないのです。

そんな療養の毎日を支えてくれたのは、妻と両親、そして生まれたばかりの娘でした。
家では、これといって、やろうとすることもなく、
単に、時間が過ぎていくだけです。
目標も目的もない日々を送っていました。

当時、手帳にひと言毎日のコメントを書いていました。
「体調悪し」「一日横になっていた」
この程度の内容です。

先日、久しぶりにこの手帳を開いてみると、
学校を休み始めて3年過ぎた頃から、
「コーヒー買う」
という文言が出てきました。
そうです。コーヒー豆を買うために、外出し、外の空気を吸います。
この頃より、 部屋で好きなクラッシックを聴きながら、
コーヒー豆を自分で挽いて、ネルドリップでいただくことが、
最大の楽しみとなってきました。
豊かな香りに包まれました。妻との話も楽しかったです。

「コーヒーを買う」
手帳の中に、この言葉の出る頻度が増えてきました。

結局、教職が続けられないと決断し、別の人生を歩もうと決心した時、
私の脳裏に浮かんだのは、「豊かな香りで心を癒やしてくれたコーヒー」でした。

「コーヒーの豊かな香りで癒やしの時間をお届けする」
こんな体験を多くの人に伝えたい。語りたい。
これが、私がコーヒー豆屋を始めるにいたるストーリーです。

もちろん、元気に毎日過ごしておられる方にも、
このようなコーヒーの素晴らしさを伝えたい。
忙しい毎日に、「ホッ」としていただける癒やしの時間を
コーヒーの香りとともにお届けしたいのが、私たちのつよい思いです。

 

うちのコーヒー豆は語りかけています

質の高いコーヒー豆を香り高く焙煎して、皆さまにお届けすることにこだわっています。

しかし、それ以上に大切にしていること、それは、
「買って下さったコーヒーをいただく時に、お客様がどのように感じておられるのか」
ということです。

当然です。
私たちは、コーヒー豆に思いを乗せて、お客様にお届けしているからです。
「コーヒーの豊かな香りで癒やしの時間をお届けする」
「コーヒーを心から楽しんでいただきたい。」
「コーヒーの豊かな香りに包まれた空間を大切にしていただきたい。 」
そんなお手伝いをするために、コーヒー豆屋を始めたからです。

コーヒー豆屋を始めてから、一つのことに気がつきました。
それは、ご来店下さるお客様のゆったりとした雰囲気です。
単に、コーヒーが好きだ、だけではすまされない、ゆったり感です。

「うちのコーヒーを大切にして下さるのだな」
そんなことを感じるようになりました。

うちのコーヒー豆は、そのような方を引きつけます。
そんな魔力のような魅力を持ったコーヒー豆です。

その魅力とは、
単に、美味しい、香り高い、希少な、高級な、等だけではなく、
コーヒーが醸し出す、ゆったり感、充実感、驚き感を兼ね備えていることです。

私も、長く続いた病気から立ち直り、楽しくお客様の前に立っています。
あれだけ、人前に出るのが億劫だった私が・・・。

新たな人生を与えてくれたコーヒー豆。
そんな魅力たっぷりのコーヒー豆を販売できることに感謝しながら、
楽しいコーヒーライフを提案し、お届けできるよう、いつも心がけています。
皆さまにも、コーヒーの豊かな香りを通じて、癒やしの時間をお届け致します。