コーヒーは、15世紀末にはアラビア半島のメッカ、さらにメディナ、16世紀初めにはエジプトのカイロに伝わりました。15世紀末といえば、コロンブスのアメリカ大陸発見の時期で、世界史的にも広がりを見せる時代です。
コーヒーというと「アメリカン」「カフェオレ」「エスプレッソ」など、地域でいうと欧米諸国を連想される方も多いでしょう。しかし、当初コーヒーはイスラム圏で広がっていったのでした。
メッカでは、コーヒーが修道院から一般のイスラム教徒の間にも飲用が広がります。オスマン・トルコ帝国は、エジプトを征服しカイロを制圧すると、コーヒーを首都のイスタンブールにもたらします。
イスラム世界では、人々が集いコーヒーを楽しむ場所「コーヒーの家(トルコでは「カフェ・ハネ」)」が各地で栄えました。15世紀末にメッカで、16世紀になるとエジプトのカイロ、シリアのダマスカス、そして、1554年にはイスタンブールにカフェが出来ます。アルコール禁止社会のイスラム世界では、このカフェ・ハネは、単にコーヒーを飲むだけではなく、市民交流の場としての意味があったようです。
余談ですが、私は、コーヒーストーリー開店に際し、このような「集い・語り・味わう」コーヒーの魅力(楽しみ)を伝えたいと考えました。
イスラム圏でコーヒーが広がると、中近東を旅行するヨーロッパの商人や学者などを通じて、知識人の間にコーヒーが知られるようになってきました。
参考文献
SCAJ(日本スペシャルティコーヒー協会)テキスト